2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧
電柱の灯りは、満月のように船着き場を照らしていました。 おばさんたちは待機していて船長の車を迎えてくれました。 寄せる波と返す波の音だけが響いていますが、 鎮と静まった感がありました。 辻さんは 暗闇に青く輝く宇宙の中で、 星と波音とイワシと私…
「水産試験場へ連れて行く方法もあるが、今は閉まっている。 明日迄待たないほうが賢明だ」 そこへ、海君がやってきました。 「おじいちゃん、よくわかった。海に返そう。 イワシ君には長生きしてもらいたいんだ。 何故って僕に考えが浮かんだ。それを見届け…
船長と魚をくれた漁師が一升瓶を持って来ました。 持参した色とりどり野菜のぬか漬け切り、煮物を広げて宴会の始まりです。 暫くして、 「いわしよ、一緒に飲め」 と酒を水槽に近づけたとき、 「おまえ、大丈夫か?」 船長がイワシに聞きました。 「はい、ち…
「しかしです。今、人間は何をしようとしているのですか。 溜まった大量の放射性物質を海に流すという。 信じられますか?放射性物質を含む約100万トンを、ですよ、 飲み水と同じになるまで薄めて捨てると言うなら、 いっぺんに捨てたっていいじゃあ~あ…
手が痛いですが上がります 腕の注射跡が昨日の夕方からちょっと痛くなりました。でも、ご覧の通り今日の朝撮った写真は手が伸びます。無理はしていませんよ。 但し、これからワクチン接種される方へ!! 注射は利き腕と反対の腕にしてもらってください。 右…
本日午前九時に予約。 ワクチン接種してきました。 その経過報告と感想です。 私の場合です。違う人もいると思います。 まず、 コロナ予約の電話は一回も通じず、その日、92回電話しました。 隣の方は固定電話で100回以上電話しても予約取れず、息子様がPCで…
イワシは更に、 「2011年3月11日の東北沖大地震が起きて、 マグニチュウド9は40メートルの津波を発生させ、多くの仲間や河童が流され命を落としました。 それは自然の成す事。耐えねばなりません。 原子力発電所事故で大量の放射性が海に流れて、メルトダウ…
「相対と結論付けると無理が起きます。 何故って?私たちが生き抜くために何をしなければならないか、 考えれば1つの本質にたどり着くからです。 大体ね、人間って何です? 地上でちょっと頭が良くて、ちょっと便利な生活があって、 ちょっとだけ理解できる…
お客様でイスラム教の方がいらっしゃいます。 私は子どものストーリーが好きで、 イスラム教の子ども向けのお話をお聞きしました。 素行が悪い青年がいました。 夜中目が覚めると、窓が開いていて、月の光の先にエンジェルが居て 机の上でノートにリストを作…
「架空のお話し。ピノキオを探しに行ったおじいさんがクジラに飲み込まれ、 それを知ったピノキオもクジラのお腹に入り再会するのよ。 そして火を焚いて、煙でクジラがくしゃみをした時に飛び出して助かるって訳」 「人間は火を産みだせる。いいですね」 「…
「さあ、寝ようっと」 辻さんは胸臆を隠してソプラノで歌いました。 すると、 「はなしを聞いてください。こっちです」 また声がしました。やっぱりイワシでした。 「信じがたいが、話すイワシを認めねばならない」 と覚悟を決めて、水槽に近寄り、 「驚いた…
魚と、、詳しくは、イワシとの暮らしが今日から始まりました。 「居候させていただきます」 ほんと、驚きました。 全ての血液が逆流して体を走り、じーじと同じ心不全で死ぬかと思ったくらいです。 水槽のセッティングが終わり、一息ついたので、コーヒーを…
「このバケツだっちゃいいが、」 「ちょっと待って。船長は仙台の出身?なんで福島に?」 「だっちゃか。孫が漫画見て言うもんだからよ、うちじゃ一番使うことばだっぺ」 「ああ、漫画なの?」 「そうだっちゃ(笑)、うるせー、、とかのな。うちの孫は漫画オ…
魚は身動きひとつせず、少量の水に半分体を浮かせていました。 ほんとに驚きました。 この世にこんなことが起きるなんて考えられませんでした。 魚の眼が潤んでいます。 今にも涙が溢れそうな哀しい顔をしていると思ったら、 嘘ではありません。 魚から一粒…
暫くして、 リールを巻き戻し、仕掛けを取り外し、 きらきら光る針を外し地味な目立たない針、一番軽いおもりに変えて、 餌が大海に出て来てしまって ぷかぷかと自然に浮いている如くに漂わしました。 時間がまた流れてどれぐらい経ったでしょうか。 竿に魚…
ジュースを毎朝飲み始めて16年ぐらいになります。 始めは果物とニンジンジュースで、毎日3キロぐらいでしたか、 ジュースを作り、夫に飲ませていました。 ブログ最初の頃を見てくださいね。 それから果物と野菜のジュースになり、 最近は野菜も果物も家にあ…
「だいぶ遠くへ来たもんだ」 船長さんは舳先に向かって呟いて、 餌と釣り具を辻さんに渡しました。 船は深呼吸するためにゆっくりと揺れると、 波に任せて海の底に引き寄せられ、 また青い空の下に戻されるように左右に動きました。 辻さんは波に逆らってし…
「魚を釣る」 は、この楽しさを超える何かが あるのかもしれない と思ったからです。 次の日、 漁師さんに教えてもらった乗合釣り船で、沖へ出ました。 風はなく、晴れ渡った朝でしたが、 浜から離れだすと、 船は波に乗ってどんどん揺れ始め、 初日は魚を釣…
急いで船からバケツを取り出して、 転がっている魚を一匹、二匹、三匹、四匹拾いました。 30センチ近くはあるでしょうか。 おなかは白が混ざった銀色で 体の真ん中から上は、きれいな青が光って体を覆い、 背びれに続く頭から尾までは 深海の紺といえる深い…
「あんた、上手だ、うた」 漁師さんが言うと、辻さんは微笑みました。 時間がどれぐらい過ぎ去ったでしょうか、 「その魚持ってけ」 漁師さんは顔を上げて辻さんに言いました。 「ありがとうございます」 足元の一匹を拾うと、 「もっと取っていいぞ」 と言…
人はまばらで 遠くに一人、 また遠くに一人といる程度でしたので、 辻さんは砂浜に正座して 両手で砂を掘り起こし始めました。 それから その穴に体を埋めて顔だけ出し、寝転がりました。 砂の中はだんだん暖かくなってなんとも気持ちよく、 うとうとと浅い…
辻さんはじーじが亡くなってから海の見えるマンションへ引っ越しました。 明け方、鳥のさえずりで目を覚まします。 淹れたコーヒーを片手に持ちながら、 もう一方の手を大きく振ってカーテンを端に押しやり、 窓を開けると、 碧い海と雲と空と風が目の前に眩…
70歳9か月から勉強し、71歳で資格を取り、72歳から仕事を始めたグランマは 今年で3年目に入りました。 仕事はどうですか?って? 仕事はちょっと置いて、、 何故って、 出会いがとてもすごい! お恥ずかしながら、この年になるまで関わらなかった いいえ、こ…