不動産屋を始めたグランマの絵のない絵本創作 

挿絵を書いてください。一緒に絵本を創りませんか。連絡を下さい。

どろぼうねこ君

ねこ君ちのとなりのさかなやうおたつのおじさんが、

おおきなゴムのまえかけと、はちまきしめて、

ねこ君のいえにきました。

「ねこ君がみせのさかなをとってった」

ねこ君のおかあさんは、

「ああ、ごめんなさい。おかね、はらいますから」

と、なんかいもあたまをさげてあやまりました。

おじさんはおこって、

「いりませんよっ。よいこのねこ君になってもらいたい」

と、はちまきをきゅっとまわして、かえっていきました。

 

おかあさんがキッチンへいくと、

おさかなが、ドアのまえにおいてありました。

ねこ君はそのまえにすわってにこにこしています。

おかあさんが、

「あのね」  

とねこ君にはなしかけようとしたら、

また、うおたつのおじさんがきました。

「ねこ君が、みせに、しんだすずめをおいてっちゃった」

おじさんはかなしそうに、

「うちはさかなやで、しんだすずめはうれない。

だめだよって、ねこ君にいってくださいよ」

ちまきをそーっとまわしてかえっていきました。

 

ねこ君はみんながよろこぶことがしたいとおもっています。

おさかながあれば、おさかなだいすきおかあさんはよろこぶにちがいないし、

ねこ君がだいすきなものをおじさんにプレゼントしたら、

まあるくわらって、

「ねこ君、ありがとうっ」

っていうにちがいない。

おじさんのえがおがうかぶと、

ねこ君はにやにや、わらいがとまらなくなりました。

そしたら、

「もういっかい、さかなとこうかんしてこようっと」

ねこ君はせかいでいちばんすきなものをみつけにそとへとびだしました。

 

うおたつのおじさんがまたきて、

こんどはあおいかおしてちいさなこえでいいました。

「ねこ君がみせのさかなをまたとって、かわりにしんだねずみをおいてった」

おかあさんは、

「ごめんなさい」

となんかいもあやまりました。

おじさんはしょんぼり、

「うちはさかなやで、しんだネズミはうれない。

おきゃくさんがこわがってにげてった」

というと、

ごむのまえかけをきゅ~うきゅ~うとまわして、かえっていきました。

 

おかあさんがキッチンへいくと、

ドアのまえにさかながもういっぴきおいてありました。

ねこ君はそのまえにすわってにこにこしています。

「どうしたらわかってもらえるかしら?」

おかあさんはこまって、おにわでくるくるまわりはじめると、

おとうさんねこがかえってきました。

「うーん」

とおとうさんはうでをくみ、

「ねこ君はみんながしあわせになるためにしている。それがもんだいだ」

といいました。おかあさんは、

「どろぼうねこ君になっちゃた」

と、かなしいかおをしました。

おとうさんは、

「おれいをもっていくどろぼうはいない。おかえしはちゃんとしてる」

といって、せなかをぴーんとのばしました。

おかあさんとおとうさんがねこ君のことでいいあいをしてると、

こんどはねこ君がかなしくなりました。

 

ねこ君はあしおとをけしておかあさんのうしろへいき、

おかあさんのかたから、あたまにぴょんとのって、

あしでもみもみ、マッサージをはじめました。

おかあさんはきもちよくなって、いいあいはどこかにとんでってしまいました。

すると、おとうさんとおかあさんはひらめいて、おたがいのあしでた~っち。

 

おかあさんがねんどとえのぐをもってきて、

おとうさんがひかるさかなをつくりました。

おかあさんは、さかなをもってきて

ねんどにこすりつけてにおいをだしました。

いいにおいがへやじゅうしています。

それから、おとうさんはらんらんらんとうたいながらさかなやさんちへいきました。

ねこ君もはなをぴくぴくうごかして、うしろからついてきました。

おじさんがひかるねんどのさかなをみせのたなにのせると、

ねこ君の目がきらり。

ねこ君はマッハとおなじはやさで、さかなをがぶりと口にくわえると、

いちもくさんににげていきました。

 

みんなでゆうごはんです。

「ありがとう。おさかないっぱいたべたので、しばらくはいりませんよ

と、おかあさんはねこ君におれいをいってから、

おじさんちのおさかなはおかねをだしてかうもの、とはなしました

 

きょう、うおたつはおやすみです。

おひさまはげんきいっぱいにみんなをてらしています。

おじさんはえんだいでこっくりこっくりいねむりをはじめました。

そこへ、ねこ君がにんじゃのようにそーっとちかづいて、

ちまきをしめたおじさんのおでこをひとなめしてから、

かたをもみもみ、マッサージをはじめました。

おじさんはあんまりきもちよくて、ぐっすりねこんでしまいました。

おじさんのすやすやがおをのぞいて、

はなをほっぺにすりつけたら、

ねこ君はうれしくなって、しあわせになりました。

友だちねこ君

ねこ君は庭に面した大きな窓の横の小さな出窓が大好きです。

庭と通りが見えるし、お日さまもいっぱい射す場所だからです。

今日もねこ君は出窓で、

ゴローンとおなかをお日様にあてて、

足をまっすぐ延ばしてひと眠りしました。

 

ゆっくりと目を覚ましたあと、

いつものようにお庭のたくさんの小さな虫を見渡しました。

キンモクセイの樹の下に

くろい山のような盛り上がりが見えました。

そこから長~い黒い一本の線がどこまでも続いていました。

目を凝らしてじっと見つめたら

アリがゲジゲジの死体を切断し、

列となってそれらを運んでいたのです。

よく見ると

大きなおなかをしたアリたちが

何も持たないで行列に加わっています。

「なんでゲジゲジを持たないで巣に帰るんだろう?」

ねこ君は不思議に思って

じっとアリを追って見てました。

 

するとどこからか声がしました。

「もりもりと食べて巣に帰り、

おなかから栄養分をだして貯蔵庫にためるのさ」

ねこ君は木の上、塀を見渡し、葉と葉の先に視線を向けると、

友だちねこ君が

あじさいの花の陰に居ました。

行儀よく座ってじっとねこ君を見ていたのです。

 

「なんで僕を見ているの?」

「そこは暖かいか?」

「そりゃあね。気持ちがいいところだよ」

「俺には夢がある」

「何の夢」

「そこでごろんとお日様にあたることさ」

「それが夢なの?」

「おれの寝床の材木の隙間にもお日様は降る。

しかし、そこでうつらうつらしてみたい。

おまえのように、ただ、ただ、ひと眠りしたいんだ。それが夢さ」

 

ねこ君は起き上がって、背伸びをしました。

それからひょんと降りて窓の前に来ました。

「君の夢は簡単。僕の家へおいで。

この出窓で思いっきり寝ればいい。

ずっと寝てればいい」

「俺は毎日この舌と足で、毛づくろいはしている。が、

のみはいるし汚い。それでもいいのか?」

「夢がそんなことで叶えられなくなるの?

ばかばかしい」

「おまえのお母さんに叱られる」

「お母さんは、

誰でも通れるように庭にけもの道を作った。

みんなが幸せになるのが好きなんだ。

怒るはずがない。こーっちへ来て」

 

友だちねこ君は

ねこ君が居間を出るあいだに、

ぴゅーんと足を大きく振って走り、

猫専用の通し口の前に、お行儀よく座って待ってました。

 

「ここからどうぞ」

ねこ君は

ドアの下の通し口の前で、右足を前に出して言うと、

友だちねこ君は

ゆっくりと頭を入れ、次に足を、最後に胴体が通し口を通過しました。

 

時間にすれば1秒か2秒でしたが、

友だちねこ君には一瞬と思えたし、

地球から見える

天の川に連なる惑星のひとつへ移る、

長い時間のようにも感じました。

 

中に入ると、友だちねこ君は、

 

「風の音が違う」

と思いました。

 

また、

 

「風が優しい」

とも思いました。

 

さらに、

 

「包むあったかさが漂っている」

と思いました。

 

「これが家というものか」

友だちねこ君は眼を閉じて、

この風とこの暖かさの中で大きく深呼吸しました。

 

「こっちだよ」

ねこ君が友だちねこ君の背中を、頭でなでなでして、

「来て、」

と先へ行こうとすると、

友だちねこ君は、足が動きません。

玄関の銅像猫君の横で、

同じ立ち姿勢をとって、

「ちょっと、待ってくれ」

と、言いました。

風がひゅ~と玄関を通りすぎていきました。

「どうしたの?ぼくについて来て」

 

ねこ君は

友だちねこ君と出窓で寄り添って、寝てるところを想像しました。

楽しくなって、

「はやく、おいでよ」

廊下を走って居間のドアの前にぴょこんと座って、

ほころんだ顔と、かわいい仕草で呼びました。(=^・^=) (*^-^*)

それでも、友だちねこ君は動きませんでした。

 

やっと、低い声で、

「やっぱり、」

とだけ、言いました。

ねこ君は右足を上げて天を指し、

「お日様はまだまだ天から降りて来てるよ」

心配しないで、大丈夫だよと呼びかけようとしたら、

小さな声でしたが、はっきりと友だちねこ君が答えました。

「やめる」

「なにを?」

「出窓さ」

「どうして?」

「・・・」

「ゆめなんでしょ」

ねこ君はさっぱりわからなくなって、廊下の壁にぴゅーんと上がっておりました。

「おれは夢があったから、どんな目にあっても耐えて来れた。

いつか、一度でいい。

ねこ君のようにあそこで寝てみたい、とね」

 

友だちねこ君は、

他の誰かに、じゃなくて、

自分にむけて、ゆっくりと声を出しました。

「夢が叶えば、、おれの夢はなくなる」

「次の夢を持てばいい」

とねこ君が言いました。

「ねこ君は幸せねこだ。それ、出来る。

しかし、おれは、おれの夢はただ一つ。

おれの一生に、他の夢ってあるだろうか」

「ぼくはきみと出窓に行きたい」

「おれは、

雪の降る寒い冬も、

大雨でびっしょり濡れた日も、

えさがなくてひもじい日も、

夢をみて耐えた。

この夢がなくなったら、

今年の冬の寒さに耐えられない」

 

ねこ君は、

友だちねこ君の足元にうずくまって

静かに頭を伏せました。

「俺にとって、

夢は

死ぬときに一緒に持っていくもの。

叶っちゃいけないものなのさ」

「だから?」

ねこ君は哀しくなって尋ねました。

「だから、おれは、出窓にはいかない」

友だちねこ君はさらに、

「夢があれば、

元気は、おれについてきてくれるからね」

と笑顔で言いました。

 

ひと振りの風が玄関に降りて、

猫の通し口を揺らしました。

 

友だちねこ君は、

「ありがとな」

と、ねこ君の頭をひと撫でし、

それから、

「じゃあな」

と、

小さな出口を押して、

外へ出ていきました。

 

時間にすれば1秒か2秒でしたが、

友だちねこ君には一瞬と思えたし、

地球から見える

天の川に連なる惑星のひとつへ移る

長い時間のようにも感じました。

 

ねこ君は、

「僕が普通に過ごしていることを、

夢に持つ君がいたなんて、

感謝って、こういうことにするものなんだね」

と思いました。

 

「門」

 作物が豊富に取れる肥沃な土地が続く、

黒い大地のはずれに、

この集落で一番大きな墓地があります。

その北のはずれに

ブリキの屋根とブリキの壁に囲まれた平屋の小さな家がありました。

先祖代々から墓守を仕事として受け継いできた月(つき)の家です。

墓守の家には家訓、

1墓のお供えは七夜過ぎれば下げて食べてよし。

2苔は生えさせてはならない。

3子はひとり生を受けてよし。

の3か条がありました。

墓守の家では子供がはやり病などで亡くなると、

またいつの間にか1人子が生まれていたというように、

大昔から同じことを繰り返して家が継ぎ、継がれてきたのです。

 

 月は友達がいません。

というより、その集落では家柄が一番低い家なので、

だれも彼女を友として認める子はいないというだけ。

いじめにもならない、無視の世界がそこにありました。

ひとりに慣れているということもありましたが、

墓地には小さな虫や野良猫やモグラなど

遊びに事欠かない仲間がたくさんいます。

月は独りぼっちと感じたことはなかったし、

寂しさとはどんなものかと考えたこともありませんでした。

 

 月は両親の手伝いをよくしました。

 いつでも誰でもお参りができるよう、

通(みち)の境に植(う)わる榊(さかき)をきれいに切って桶に入れて、

入口に置きました。

 無縁仏の塚や無縁墓を掃除するのは月です。

お父さんが

「無縁墓はお墓を受け継ぐ人や親戚がいなくなって

お墓の世話をする人がいないお墓で、

無縁塚は旅の途中で死んだり、

国の決まりに反対したり餓えがなくなるようお役所に訴えた人が

認められないで死んだりした人たちの墓」

と教えてくれました。

月の家族も代々この塚に葬(ほうむ)られてきました。

入口に3体並んでいる地蔵様の赤いよだれ掛けの洗濯も月の係です。

洗って二つの手で四隅をしっかり持って伸ばし、皺がないように干します。

地蔵盆や虫送りや疫病送りがある時は

手が赤く腫れるほどよだれ掛けを丁寧に洗います。

 

 月はお掃除のときは「なむなむなむ」とお経をあげながら、

たわしを上下横に振ってしますが、

学校で習った歌のリズム合わせて口ずさむので、

お母さんは

「美しいお経」

といいます。

「月は歌のコンクールにでたら、1等賞とれる」

といつもほめてくれます。

 

お墓に飾られた花が枯れると、取り除いて周りを掃除もします。

苔(こけ)はあちこちに生えます。

今日も墓の前の石畳や墓の名前が彫られているその隙間(すきま)や

墓の角々にこびりついた青苔を、

水の入ったバケツを片手で持ちながら、大きなたわしで洗っていました。

すると、月が名付けた野良猫のらが

バケツの水をぺちゃぺちゃと飲みに来て、

飲み終わると今度は足元に顔を摺り寄(すりよ)せて来るのです。

 

 掃除が終わり、切り株に腰かけてのらを優しく撫でおろしていたら、

急にのらの目がきゅっと鋭く光り、木の陰あたりにそらさず目を向けました。

月も一緒に木のうしろの人影に目を向けると、女の子らしいと判りました。

春分秋分でもなく、盆でもなく、

葬式や忌でもない日に、子どもがひとりで墓地に来ることはなく、

月はどうしてそこに女の子がいるのか理解ができず、

何をどう話せばいいのかもわかりませんでした。

二人の間にしばらく沈黙(ちんもく)が続いたあと、

「月ちゃんでしょ」

と木のうしろから声がしました。

月は学校で声を出すことすら汚らわしい存在と思われていたので、

急に返事なんて出せるはずがありません。

じっと声の方向を見るだけが精一杯でした。

「月ちゃん」

また、声がしました。

時間がその声を包んでくれて、

月の耳元をゆっくりと通りすぎてくれました。

一週間前に転校してきた同じクラスの彩子さんだとわかりました。

「私は月ちゃんと友達になりたいってずっと思っていたの」

彩子さんは姿を見せずにいいました。

「月ちゃん、そこへ行ってもいい?」

彩子さんの問いかけに月は頷きました。

彩子さんは上等な布の白いワンピースを着て、

お出かけ用としか思えない黒い上等の靴を履いていました。

「月ちゃんと遊びたいと思って、お絵かき帖や色鉛筆や、

これはお母さんが作ったお手玉なのだけど、持ってきた」

彩子さんは花の刺繍がしてある手提げバックからそれらを一つずつ取り出して、

切り株の隣のお線香立てと花瓶が取り付けられてある、お墓の台座に広げました。

「なんで遊ぶ?」

彩子さんが月の顔を覗き込みました。

「お絵かき帖」

友達が話しかけてきたことは初めてでしたし、それに答えたのも初めてでした。

今までが夢であったのか、この出会いが夢なのか、月は不思議な気がしました。 

彩子さんはお絵かき帖の一枚を切り取って月に渡し、

隣に座ると、二人の間に色鉛筆を置き、

片隅の曼殊沙(まんじゅしゃ)華(げ)を描きだしました。

月はのらを写生しました。

しばらくすると、

あたりは紺碧(こんぺき)に染まり夕暮れの時間になっていました。

「もう帰らないと」

月がいうと、

「そうね、私も」

彩子さんは言いながら、片付け始めました。

「明日は席替えがあるでしょう、月ちゃんの隣になるといいな」

「うん、彩子さんの隣の席になりたい」

「それじゃあ、あしたね」

「明日ね。どうもありがとう」

彩子さんが、ブリキの家の前を通って、北の門をくぐって行くのを見送りました。

 

次の朝、学校はいつもと違う感じがしました。

教室に入ると、彩子さんはもう来ていて、

「月ちゃん、おはよう」

と声をかけてきて、月は一瞬まごついたのですが、言葉が先に

「おはよう」

と出ちゃいました。

そしたらなんか急に場違いな自分に会ったような思いがして、

うつむいてしまいました。

教室の友達はいつものように無視を続けています。

朝礼が済むと、

「昨日お話ししましたが、今日はクラス替えをします。

好きな人どうしで座りますか?

それともくじで決めますか?」

先生が生徒に聞きました。みんなは

「好きな人どうしがいいです」

と口々に大声をあげました。

月は席替えが嫌でした。

好きな人どうしで決める時は、

いつも最後の机に一人で座らなければならなかったからです。

でも今日は違います。

くじになりませんように、と祈っていました。

「学年最後の学期です。良い思い出が作れるよう、

先生は皆さんの意見に従いましょう。席替えは好きな人と座って下さい」

「月ちゃん、ここよ」

彩子さんが手招きした席に月は座りました。

それは、月が家柄とか貧しさとかを自分から外して、

新しく歩いていく道へ続く

門の扉が開いたときでもありました。

 

 学校が終わって遊ぶ約束をしたので、

月はお墓の門の前で彩子さんを待ちました。

彩子さんは花の刺繍(ししゅう)の手提げバックをもって現れました。

ケンケンやロウセキで石畳(いしだたみ)に色々描いたあとで、

昨日の切り株に座って二人は話しだしました。

彩子さんはお父さんの転勤で一つの場所に長く住んだことがなく、

友達が作れなかったことなど。

月は学校では休憩時間は図書室に行って本を読んでいること、

家に帰ると広い墓地をいくつかに区切って、

区切りごとに掃除をしてきれいにすることなどなど

沈黙は二人の間では存在しませんでした。

月は話すってことがこんなに楽しいんだと初めて知りました。

彩子さんは、

「月ちゃんの夢はなに?」

と聞きました。

「ワッフルを食べてみたいの」

「ワッフル?」

「図書館で読んだ山本有三の兄弟って本に

ワッフルがでてくるんだけど、食べてみたいと思った」

彩子さんは一瞬目が輝き、

「月ちゃん、来て!」

と月の手をつかんで奥のお墓の方へ歩きだしました。

「ほら、ここにお供えがあるでしょう。これがワッフル」

と、お墓の台座にある白い紙の箱を指さしました。

月はびっくりしました。

「これ?でもどうして彩子さんはここにワッフルがあったなんて知ってるの?」

「さっきかくれんぼしたでしょ。それでね。さあ、食べましょう」

と言うと、手をワッフルに近づけました。

「だめだめ。お供えは七夜経たない前に食べるとお父さんに叱られる」

「箱の中に日にちが書いてある。ほらね」

彩子さんは得意げに箱からジャムのワッフルを取り出して、月に差し出しました。

月はその墓に新しいお塔婆が何本も立ててあったのを見たのですが、

その話はなんとなく彩子さんにはできませんでした。

月はひと口ワッフルを口の中に入れたら、

ふわーっ

と広がって、甘い香りが体中を走りました。

「どう?」

「おいしい」

「夢が叶っちゃった。次の夢を探さないとね」

彩子さんが言うので、月は思わず、

「じゃあ、彩子さんの夢は?」

と尋ねました。

「私の夢は、月ちゃんとずっと友達でいたい」

「私も」

彩子さんは、月の次の言葉をさえぎって、

「月ちゃんの家の前にある門をくぐったら、何もない世界へ行かなくちゃならない。

私はその門がくぐれなくて、いつも外から月ちゃんを見ていたの。

友達になれてやっとこの門を通ることができた」

彩子さんは月の顔をじっと見つめました。

 

 月は彩子さんが自分の前に現れた意味をやっと知ることができました。

「だからもう、私の夢、叶うことはできない」

月は、たったひとりの友達と離れたくなくて、

「自分も一緒に行く」

と言おうとしましたが、

さっきのお墓に立てかけられていたお塔婆(とうば)の意味が

今やっとわかって、声に出せませんでした。

あたりは紺碧の空に染まり始めました。

月は彩子さんの影を追って暗闇(くらやみ)の墓地を探し続けましたが、

お母さんが呼びに来てくれたので、

小さな灯り(あかり)がともる、

ブリキの家に帰りました。

 

 月は学校で彩子さんが教室にいたかどうかを誰にも聞きませんでした。

でもね、彩子さんと過ごした2日間の出来事は月を変えていきました。

いじめに正面から立ち向かったので、みんなの無視は自然に変わっていきました。

役所で攣縮が、、

冠動脈攣縮性狭心症は攣縮が起きたら

ニトロを1錠ずつ舌下でなめ、収まらなかったら3錠まで飲む。

収まらなかったら病院へ行くことになっています。

 

攣縮が起きたら水が良いらしいと看護婦さんに教えられましたが、

先生は関係ないと言ってました。

グランマは最近は水はあまり効かないみたいです。

以前発作が起きた時偶然薬局で栄養ドリンク剤飲んだら効いたのです。

痛くなるとメーカーは何でも良いのですが、

栄養ドリンク剤を飲むようにしています。

最近は攣縮おこっていないので、ニトロも何も持ち歩くの忘れていました。

10月22日役所へ行きました。窓口で受け取る番号はかなり後の数字でした。

グランマは最近せわしく動き回っているので

水分飲み忘れます。水って大切です。

その日、役所で胸の痛みが治まらず、

なお痛みは続くので、売店へ駆け込みました。

ドリンク栄養剤を買ってお金を払う間に開けてもらうか、開けて飲んでから払うか、

「胸が苦しいのでお金払いますから、今これ飲んでいいですか?」

と聞きました。

答えは「000円です」と応答なし。

お金を払ってすぐその場で飲もうとしたら、

売店の外で開けて」とつっけんどんに言われました。

でもね、グランマは久しぶりに痛かったので

客は私以外いませんでしたので、

お金を払うとすぐその場で開けて飲みました。

それから売店のごみ箱へ行きました。

後ろから「~~~」なんか言ってましたが、痛かったので無視しました。

 

グランマは最近調子にのって

ニトロも水もドリンク栄養剤も持ち歩かなくなっていたので、

良い教訓になりましたね( ^^) _U~~

 

蜘蛛の仲間と朝のジュースを楽しみました

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今朝は葉物なく作りました。蜘蛛も出没してグランマはちょっかい出さないので、止まったり、歩いたり、ジュース飲んでる私の前で堂々としていました。夫がちょっと怖い2色だね、ですって。でもね、ほんと怖くない、我が家の優良仲間です(*^_^*)

 

 

柿のたねは凄い。種の保存

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いつも、ジュースを作る時、食物ってすごい、偉大だなあと思うのです。

植物って自分の身を守るために、長い年月をかけて工夫をしています。

例えばリンゴの皮、大根の皮は硬いですね。

モモは表面は小さなとげのようなもので覆われています。

皮ごと食べてとげが刺さり、唇が張れたなんてことありますよね。

柿は?

たねを見て。種は時間が経ってくると膜のようなものが柿のたねを包みます。

「生物は種の保存のために行動する」

つまり、

自然選択は種や群れの間にもっとも強く働く

と言う事を、柿の上の写真を見ていつも思うのです。

このヌルヌルは栄養満タンに違いないと、

グランマは柿のたねを覆っているヌルヌル

一つずつ歯で取り除いて食べてます(*^_^*)

家で獲れた柿です。

この時期、グランマは一日5個ぐらい食べてます。

入江 一子さん(いりえ・かずこ=洋画家)8月10日、105歳で亡くなる

1947年に洋画家の三岸節子さんらと共に「女流画家協会」を創立。

シルクロードを題材に

100歳を超えても創作意欲に溢れ、描き続けた。

50代半ばからシルクロード30ヶ国以上を旅し、

その風景や人々を阿佐ヶ谷のアトリエで描き続けた洋画家です。

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厚生労働省は、雇用労働に関する労働政策全般として

人生100年時代」に向けてと称して、人生100年時代構想会議

を平成29年9月に設置し、9回会議を開いているとの事。人生100年時代構想会議は、人生100年時代を見据えた経済社会システムを創り上げるための政策のグランドデザインを検討する会議なのだそうです。

平成29年12月に「中間報告」が、平成30年6月13日に「人づくり革命 基本構想」がとりまとめられています。

やっぱり国の政策や政治はおろそかにできないですね。

自分たちの老後。

国はどう捉えているのでしょうか?

 

入江先生の第88回独立展

2021年10月13日(水)〜25日(月)
※19日(火)は休館日
午前10時〜午後6時
最終日25日(月)は午後3時閉会
入場は閉会30分前まで
大学生以下、障害者と介護者、70歳以上の方は入場無料

国立新美術館

〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 

※ご来館の際にはあらかじめ【ご来館のお客様へのお願い】(国立新美術館)をご確認ください。