不動産屋を始めたグランマの絵のない絵本創作 

挿絵を書いてください。一緒に絵本を創りませんか。連絡を下さい。

イスラムの神様 おはなし

お客様でイスラム教の方がいらっしゃいます。

私は子どものストーリーが好きで、

イスラム教の子ども向けのお話をお聞きしました。

 

 素行が悪い青年がいました。

夜中目が覚めると、窓が開いていて、月の光の先にエンジェルが居て

机の上でノートにリストを作っていました。

聞くと、神様に愛されている人のリストだと答えました。

そこで、彼は自分がそのリストに入っているかと尋ねると、

エンジェルは調べて

リストにはあなたの名前は載っていないと答えました。

彼は言いました。

ならば神様を愛している人のリスト作って欲しい。

私は神様を愛している、からと。

また、しばらくして、目が覚めるとエンジェルが、

窓から射す光の部屋で何やら書いていました。

何書いているのか尋ねると、神様を愛している人のリストだと言うのです。

自分の名があるかと尋ねると、エンジェルは言いました。

あなたは1番めに書かれています。と。

 

私は考えました。

日本にも親鸞歎異抄

「善人なおもて往生をとく。いはんや悪人をや」

念仏を唱えれば全てのものは救われると。

いわゆる他力本願です。

この本願とは他人まかせの幸せではなく、

阿弥陀如来を信じて、祈れば、心の闇も無明の闇も幸せに導かれるということだと思います。

二つの信仰は似ていると思いませんか?

間違っているかもしれませんが、私は似ていると思いました。

キリスト教も信じるものは救われると書かれていますよね。

 

神様は世界中に幾つあるか分かりませんが、

どの神様も、信じ愛することにより、善の行いが現れ、死に至る迄の生を、

生ききる力を与えてくれる。

と思いました。

そう考えると、地球のどこかの国でいろいろな紛争が起きて

多くの方が亡くなっています。

何故でしょうか?不思議な気がするのです。

自分たちが信じる神は、自然の偉大な神たちと共にいます。

神の志を相手に攻撃無しで受け継ぐこと、

は、難しいのでしょうか? 

 

いつも読んでくださってる唯一の営業さんのイスラム教のお話し読んで書きました。

 

哲学が魚に⑫仮題

「架空のお話し。ピノキオを探しに行ったおじいさんがクジラに飲み込まれ、

それを知ったピノキオもクジラのお腹に入り再会するのよ。

そして火を焚いて、煙でクジラがくしゃみをした時に飛び出して助かるって訳」

「人間は火を産みだせる。いいですね」

「君だって万物の智を活かせてる、生き抜くためのなにか、

英明(えいめい)が海の世界にもあったってこと知ったわ」

「どういうことですか?」

「助かりたいと真剣に考えて、助かる方法を考えだしてそれをやり遂げるってこと」

辻さんは驚きました。

海の世界にもう一つの世界、否海に幾つかの世界が存していて、

そこには考える生きものがいるってこと、知ったのですから。

「私は7年も生きていますのでね」

彼は自慢して、と言うより当然の沙汰であると話を続けました。

「いろんな話をもっと聞きたくなりましたよ。もっと居てほしいわ」

辻さんは心から思いました。

棚からオキアミを乾燥させたテトラクリルマリンを指で掴んで差し出すと

彼は餌を口に入れました。

「この食はとてもおいしい」

彼はお代わりを要求して口を水面に突き出しました。

感染が心配なので、教えてもらったマリンテックシュアや

海藻がいっぱい入ったキョーリンの餌も買いました。

初めての餌をシュッツシュッツと飲み込む彼に警戒心は無く、

むしろ興味津々、関心を寄せているのが分かります。

彼は未来に向けてなら、ものおじせず探求する心を持っていると思いました。

哲学が魚に⑪仮題

「さあ、寝ようっと」

辻さんは胸臆を隠してソプラノで歌いました。

すると、

「はなしを聞いてください。こっちです」

また声がしました。やっぱりイワシでした。

「信じがたいが、話すイワシを認めねばならない」

と覚悟を決めて、水槽に近寄り、

「驚いた。あなたはイワシでしょう?なんで」

と、話しかけました。

「私はそんじょそこらのイワシと違います。

海で生き抜くのは至難の業ですが、

自慢は、今、此処に居られるほどの、私だってことです。

どういうことかって言いますと、

例えば、私の体の大きさはどれぐらいですか?」

「30センチくらいかな」

辻さんはマジに物差しを持ってきて水槽の外から測りました。

イワシは瞳を上にあげて、ちょっと考えてから、話をつづけました。

「私を34個分繋げた、ジンベイザメが、

ランチするためにたくさんの魚と一緒に私を飲み込んだ時だって、

大口開けてね、体を垂直にしてこうです」

彼は水槽の中で縦に泳ぎ、口を開けました。

「エビや仲間たちはもうだめだと、目を閉じて奥に流されて行きましたが、

私は諦めなかった」

ちょっと間が空いて、彼は続けました。

「私は遠心力を利用しようと、力を込めて勢いよく、グルグル回り始めましたよ。

サメはまたすぐに大きな口をがぱっと開けて、餌を吸い込もうとした、そのとき、

いや、瞬間でした。ちょうど干潮から満潮へ向かった上げ潮でね。

海水が陸へ引っ張られてもいましたのでね、

全身の力を体に集中させて私は私をサメの口の外へ放り出しました。

で、、ここにこうして居るって訳です」

彼は窓の向こうの彼方に懐かしむような眼を向けました。

「すごい、まるでピノキオと同じだ」

「なんです?」

魚が泣いた日⑩仮題

魚と、、詳しくは、イワシとの暮らしが今日から始まりました。

「居候させていただきます」

ほんと、驚きました。

全ての血液が逆流して体を走り、じーじと同じ心不全で死ぬかと思ったくらいです。

水槽のセッティングが終わり、一息ついたので、コーヒーを入れて飲もうとしたのです。

確かに聞こえました。

なんと言っているのか分からず、宅急便かと、

「はーい」

玄関を開けましたが、誰もいませんでした。

お隣がベランダに出ているのかもと窓を開けて、聞き耳も立てましたが、何も聞こえません。

「空耳?近頃は布団に入って、イヤホンかけて、音量大きくしてバッハ聴きまくっているでしょう、耳が遠くなっちゃった」

と独り呟いて、またテーブルに腰かけました。

「魚の私です。こっちです」

すると、再び声がしました。

瞬間視線を向けたいと思いましたが、

「それはダメ」

と、

辻さんは何気ない振りをして、その方向に30度顔を傾け、

まず天井へ視線を向け、次に床へ視線を落し、

それからゆっくりと右肩の先に視線を向けました。

なんと、水槽越しにイワシの顔がまっすぐ私を見つめているのです。

一瞬辻さんは「逃げる」と自分に命令しました。

しかし、すぐに「不自然はやめよう」と、

魚の視線を感じながら、

目をテーブルに移し、皿やカップを片付け始めました。

いつものように即興のリズムを口ずさみ、

洗い、拭き、それらを食器棚にしまい込んで、気が付かないふりをしました。

どれぐらい経ったでしょうか。

部屋は1LDK なので、ここに居ればどこからも水槽が視界に入ります。

哲学が魚に⑨( 仮題)

「このバケツだっちゃいいが、」

「ちょっと待って。船長は仙台の出身?なんで福島に?」

「だっちゃか。孫が漫画見て言うもんだからよ、うちじゃ一番使うことばだっぺ」

「ああ、漫画なの?」

「そうだっちゃ(笑)、うるせー、、とかのな。うちの孫は漫画オタクさ。

水を替えるのが大変だ。まず水槽がいる。ろ過機とポンプもいる。

きれいな海水と水素の他に、酸素さえあれば、魚は生きていけるんだ」

辻さんは泣いた魚のお陰で、

無駄口たたかず仕事オンリーだと思っていた船長さんが、

奥さんと、離婚した娘の孫と3人で暮らし、

孫の影響がにじみ出る生活をしているっちゃ~と軽く話す人柄が分かって

親近感が湧きました。

割って入(はい)るって言葉がありますが、

辻さんは逆に割って入(はい)られるのは好きではありません。

ですが輪って入(はい)るのは好き。

入れば人が見えることがあるとはこの事なのですね。

実は彼女は子供時代に仙台に僅かでしたが過ごしたので、だっちゃ~を知っていたわけです。

船長はいきなり車を止めるとUターンし坂を下り始めました。

「俺んちに使ってない水槽やらなにやらいっぱいあるから、それ持っていけ」

車中で船長さんは海水魚の飼い方をレクチャーしてくれましたが、

例えば、カルキ抜き、比重計、塩分濃度と同じ濃度にする粉末。バクテリアが入った砂等、

名称が解らないし、どんな作用をもたらすのかもチンプンカンプンなので、

言葉はするすると耳から、頭からすり抜けていきました。

が要するに、

海魚は管理を良くしないと人間界で生き抜くのは難しいと解ったのです。

 

魚が泣いた日に哲学が生まれた⑧仮題

魚は身動きひとつせず、少量の水に半分体を浮かせていました。

ほんとに驚きました。

この世にこんなことが起きるなんて考えられませんでした。

魚の眼が潤んでいます。

今にも涙が溢れそうな哀しい顔をしていると思ったら、

嘘ではありません。

魚から一粒涙がこぼれ落ちました。

すると目からしずくが溢れ、

魚が泣いているのです。

辻さんは頭の天辺(てっぺん)から爪先まで

キーンと金属音が鳴り響く

のを止めることができませんでした。

そのとき、

「ああ、魚も生きている」
と。

「住む世界は違うが私も魚も生きている」
と。

「引っ越した理由はそれを確かめるため。

生きることの限りを確かめたくてここに来たのでしょう」

ぴしゃっと叩かれた気がしました。早く帰らなくちゃと、

「船長、釣りはお終いです」

「時間とカネの無駄だ。帰るぞ」

船は既にエンジンをかけられ、浜に向かっていました。

陸に着くと大きなバケツを借りて、イワシ1匹だけ持ち帰ろうとしました。

海の水をたくさん入れたので、重くて重くて。

船長さんが後から車で来てマンションまで送ってくれると言うのです。

「船長、この魚飼うにはどうすればいいですか?」

哲学が魚に⑦仮題

暫くして、

リールを巻き戻し、仕掛けを取り外し、

きらきら光る針を外し地味な目立たない針、一番軽いおもりに変えて、

餌が大海に出て来てしまって

ぷかぷかと自然に浮いている如くに漂わしました。

時間がまた流れてどれぐらい経ったでしょうか。

竿に魚が一匹ひっかかったのです。

小さな重しがぴくぴくと揺れると、竿がびゅ~んと引っ張られ、

「おおー!」

辻さんは冷静ではありませんでしたが、

冷静を装って静かにそれを船まで引き寄せると、船体にあげて、

刺さった針を戻しバケツに放り入れました。その時です、

「なんか、違う」

と思いました。

普通は釣りあげると、

魚はしばらく、ぴょんぴょんべちゃべちゃっ、と水しぶきを上げたり、

尾っぽを跳ね上げたり、体をのたうって抵抗するのですが、

この魚は寝てるように横に伏してピクともしないのです。

「船長~、ちょっと来てぇ~」

彼はやって来て、

イワシか」

立ったまま言いました。

確かにイワシイワシですが、

初めて漁師さんから貰った、

あの深海の青に輝くイワシよりも大きくて、

青サバか、ぶり、カンパチかと思えるほど恰幅よく堂々として、

バケツの中でじっとしているのです。

「死んでるの釣っちゃった?」

「死んでたら餌にかからないよ」

「なるほど。では、生簀(いけす)に入れましょう」

新鮮な内に肉厚フライにしたらさぞかしおいしいだろうと考えながら

バケツを持ち上げ、まじまじと魚を見つめました。