「枯花」が好き
昔、数軒先のお宅へ回覧板を持って行ったとき、おはぎを下さるとのことで玄関に入りました。
下駄箱の上の花瓶に枯れた花をいっぱい挿していて、無精して取り除かないという感じはありましたが、中にはドライになって、渋い色や素敵な色合いに変わっていたのもあり素敵だなと思ったのです。
彼女は私に枯花の色合いを話してくれました。
その後井戸端会議でご主人が近所の人の助言により、奥さんを精神病院に入院させたと話していました。皆は枯れた花とかおはぎがべちょっとしていたとか、彼女の最近の様子を話していました。
そういうことなら、私もまったく同じで、おはぎ作りは苦手だし、生花はつい水やりを忘れて枯らすし子供はほったらかしだったり、その上ドライにした花を挿して飾るのも好きなので、彼女と同類だと思いました。
私は「枯花」が好きです。
枯花とドライフラワーは違うと思うので、ドライフワラワーと区別するために、私のは枯花とか単にドライと言ってます。
花を逆さにして最低一週間ぐらい吊るすだけ。中途半端な時間なので、乾燥してるのか枯れてるのか見分けがつかなくなったものを私は枯花と呼んでいます。
わびのような雰囲気が溢れて、いいなあと思っちゃうのです。
もちろん生花は華やかですし、一輪挿して置くとそこだけ違う宇宙に行ったような空気が流れます。
今のところ花挿しを創る時、ドライに合うのはどんなふうな形かなと考えますが、
何せぶきっちょで、創ってしまったものにいつも「うまく作れないでごめんなさい」と謝っています。
偶然割れたのを焼きました。
漬物を作った時の残り唐辛子をドライにしました。
100金で買った好きでない色合いの造花を切って挿しました。不思議と気に入った色になりました。