友だちねこ君①
今日は会合があります。お客様に招待されました。日本の未来を考え、どうするかを3人の方がお話しされます。どんな話の進行が待っているか?興味津々です。
友だち猫君のストーリー構想を練っています。
前の作品「哲学が魚に」の題は「イワシがやって来た」に変更しました。
友だちねこ君
ねこ君は庭に面した大きな窓の横の小さな出窓が大好きです。
庭と通りが見えるし、お日さまもいっぱい射す場所だからです。
今日もねこ君は出窓で、
ゴローンとおなかをお日様にあてて、
足をまっすぐ延ばしてひと眠りしました。
ゆっくりと目を覚ましたあと、
いつものようにお庭のたくさんの小さな虫を見渡しました。
キンモクセイの木の下に
くろい山のような盛り上がりが見えました。
そこから長~い黒い一本の線がどこまでも続いていました。
目を凝らしてじっと見つめたら
アリがゲジゲジの死体を切断し、
列となってそれらを運んでいたのです。
よく見ると
大きなおなかをしたアリたちが
何も持たないで行列に加わっています。
「なんでゲジゲジを持たないで巣に帰るんだろう?」
ねこ君は不思議に思って
じっとアリを追って見てました。
するとどこからか声がしました。
「もりもりと食べて巣に帰り、
おなかから栄養分をだして貯蔵庫にためるのさ」
ねこ君は木の上、塀を見渡し、葉と葉の先に視線を向けると、
友だちねこ君が
あじさいの花の陰に居ました。
行儀よく座ってじっとねこ君を見ていたのです。
「なんで僕を見ているの?」
「そこは暖かいか?」
「そりゃあね。気持ちがいいところだよ」
「俺には夢がある」
「何の夢」
「そこでごろんとお日様にあたることさ」
「それが夢なの?」
「おれの寝床の材木の隙間にもお日様は降る。
しかし、そこでうつらうつらしてみたい。
おまえのように、ただ、ただ、ひと眠りしたいんだ。それが夢さ」