空に続く坂①
不動産屋さんのお仕事がんばってます。
先日は短期保険の代理店にもう一件なりました。
また、家賃保証会社2件と代理店契約をしました。
仕事頑張ったりしていて、ふっと一息ついたとき、
いつも何か書きたいなあって思いはじめるんです。
で、書きはじめました。
「空に続く坂」 ①
ふ~ちゃんの家は駅前のラーメン屋さんです。
ふ~ちゃんは家の前のとおりにゴローンと寝転がるのが大好きです。
なぜ?
って理由はたくさんありますが、
その一つ、
友達になった ありんこ博士 と ごろつきにゃん が、
話しかけてくるからです。
きょうもふ~ちゃんは
ラーメン屋と店の前のバス停のあいだを
おむすびころりんのように、コロコロころがり始めました。
「今日もあーあー、ふーちゃんの洋服がだいなしだ」
と市立病院行きのバスを待ってるおじいさんが言いました。
「ふーちゃんあんたもすきねえ。起き上がってこれでもおたべ」
とバス停で次に並んでいるおばさんが
クッキーと濡れティッシュ―をくれました。
「ありがとう」
ふ~ちゃんは寝転がったまま、
手だけ伸ばしてお菓子をもらい、口の中に入れようとしたとき、
背中のあたりから声がしました。
「ちょっとー、ちょっと、ストップ。私をしたじきにしないでくださいよ」
ありんこ博士でした。
「ごめん、これあげる」
ふ~ちゃんはクッキーのかけらをぐしゃぐしゃとつぶすと
手を逆さにして道路に落としました。
「ああ、あぶなかった。もう少しでふーちゃんに殺されるところでした。
さきほど仲間のありたちが
中学生の軍団に踏みつぶされてひどい目にあったばかりで。
気をつけてくださいよ」
ありんこ博士はうつぶせになったふ~ちゃんのおなかあたりにくっついて
クッキーを食べ始めました。
そこへごろつきにゃんがやってきて、
「いいにおいがただよっていまっさー。ごろにゃん」
ふ~ちゃんの手をペロッとひとなめしてから
クッキーをぺちゃぺちゃクチャクチャ食べはじめました。
「ごろつきにゃん、耳が切れて血がついてる。
あっ、足も毛がなくなって血がついてるよ!」
「見られてしまいやしたね、いや、ちょっと、
おいらのねどこにやつがいたんで、けんかさ」
「ふーん、いたい?」
「いや、ねこってものは、人とはちがい、
傷もみた目よりいたくはないんでがんす」
ごろつきにゃんは、いたくないほうの足をぴちゃぴちゃとなめまわし、
顔をふきはじめました。
「けんかはだめ、ばい菌が入ったらたいへんだよ」
「ありがとな、ふーちゃん。しんぱいしてくれて」