不動産屋を始めたグランマの 絵のない絵本創作 

挿絵書いてくれる人募集します。連絡ください。

「枯花」が好き

昔、数軒先のお宅へ回覧板を持って行ったとき、おはぎを下さるとのことで玄関に入りました。

下駄箱の上の花瓶に枯れた花をいっぱい挿していて、無精して取り除かないという感じはありましたが、中にはドライになって、渋い色や素敵な色合いに変わっていたのもあり素敵だなと思ったのです。

彼女は私に枯花の色合いを話してくれました。

その後井戸端会議でご主人が近所の人の助言により、奥さんを精神病院に入院させたと話していました。皆は枯れた花とかおはぎがべちょっとしていたとか、彼女の最近の様子を話していました。

そういうことなら、私もまったく同じで、おはぎ作りは苦手だし、生花はつい水やりを忘れて枯らすし子供はほったらかしだったり、その上ドライにした花を挿して飾るのも好きなので、彼女と同類だと思いました。

 

私は「枯花」が好きです。

枯花とドライフラワーは違うと思うので、ドライフワラワーと区別するために、私のは枯花とか単にドライと言ってます。

花を逆さにして最低一週間ぐらい吊るすだけ。中途半端な時間なので、乾燥してるのか枯れてるのか見分けがつかなくなったものを私は枯花と呼んでいます。

わびのような雰囲気が溢れて、いいなあと思っちゃうのです。

もちろん生花は華やかですし、一輪挿して置くとそこだけ違う宇宙に行ったような空気が流れます。

今のところ花挿しを創る時、ドライに合うのはどんなふうな形かなと考えますが、

何せぶきっちょで、創ってしまったものにいつも「うまく作れないでごめんなさい」と謝っています。

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偶然割れたのを焼きました。

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漬物を作った時の残り唐辛子をドライにしました。

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100金で買った好きでない色合いの造花を切って挿しました。不思議と気に入った色になりました。

花瓶創りました

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小金原の陶芸教室へ通い始めました。

ぶきっちょで、ものを創ることに自信がないのですが、

花差しを2つ創りました。なるたけシメトリーにならないように創ってみました。居心地悪いかなと思いつつ。

一つは、お正月用の造花を入れて玄関に置きましたら、なんか気分が良いです。

もう一つは、陶芸の展覧会終了後にいただいたドライを入れて出窓に置きましたら、西日が射して障子に映る影とドライにした枯れ木の葉がマッチして、ちょっといい雰囲気です。

花瓶が見えないのでさらによかたあ~。

 

 

 

一目惚れ

先日、ある会合で隣席した方の話です。見合いの席でご主人に一目惚れし、会ったその時から恋愛感情が高まり、結婚生活でさらに愛が深まっていったのだそうです。今も恋愛中だそうです。ところが、ご主人はご夫婦共に出席した会合で、見合いではあまり感じず、結婚して年月を重ねていくことにより奥さんの良さがわかってきてだんだん愛情が深まっていったと話をされたそうです。その方は見合いの席から相思相愛だと思い込んでいたので、ちょっとショックを感じたそうです。

最近私は、言葉を発するとき、その言葉の持つ真実が消えていくような、軽くなって存在する不安を感じていたので、つい雰囲気を壊すような発言をしました。今思えば空気が読めないとはこのことなのでしょうか。

「一目惚れってどういうことですか?容姿がいいとか?一瞬の出会いでその人のあふれるものわかる?愛することを持続できるって何?」

と意地悪い質問をしてしまいました。

私の場合、夫は他人として話をしたり聞いたりするなら、なんでもよく知っているし、穏やかだし、はにかむしぐさがいい、と思うのですが、結婚生活を続けていくとどこか夫婦にねじれ現象を感じずにはいられません。そう思いながら、年月を重ねていったら、今はそこにいる存在、家族のような感じです。嫌な面も、いい面も互いに持っていて、しょっちゅうぶつかることありますが、だからと言ってどうのこうのはない、仲間というか家族なのです。愛してるという言葉を使うとその時点で関係は破綻します。それらを超えた関係が存在して夫婦が続いているのです。

世の中には最初に感じた愛を持ち続けるご夫婦もいらっしゃると知り、ちょっと感激しました。

童話 「門」 ③

 

 

学校が終わって遊ぶ約束をしたので、月はお墓の門の前で彩子さんを待ちました。

彩子さんは花の刺繍の手提げバックをもって現れました。ケンケンやロウセキで石畳に

色々描いたあとで、昨日の切り株に座って二人は話しだしました。彩子さんはお父さん

の転勤で一つの場所に長く住んだことがなく、友達が作れなかったことなど。月は学校

では休憩時間は図書室に行って本を読んでいること、家に帰ると広い墓地をいくつかに

区切って、区切りごとに掃除をしてきれいにすることなど。沈黙は二人の間では存在し

ませんでした。月は話すってことがこんなに楽しいんだと初めて知りました。

彩子さんは、

「月ちゃんの夢はなに?」

と聞きました。

「ワッフルを食べてみたいの」

「ワッフル?」

「図書館で読んだ山本有三の兄弟って本にワッフルがでてくるんだけど、食べてみたい

と思った」

彩子さんは一瞬目が輝き、

「月ちゃん、来て!」

と月の手をつかんで奥のお墓の方へ歩きだしました。

「ほら、ここにお供えがあるでしょう。これがワッフル」

と、お墓の台座にある白い紙の箱を指さしました。月はびっくりしました。

「これ?でもどうして彩子さんはここにワッフルがあったなんて知ってるの?」

「さっきかくれんぼしたでしょ。それでね。さあ、食べましょう」

と言うと、手をワッフルに近づけました。

「だめだめ。お供えは七夜経たない前に食べるとお父さんに叱られる」

「箱の中に日にちが書いてある。ほらね」

彩子さんは得意げに箱からジャムのワッフルを取り出して、月に差し出しました。月は

その墓に新しいお塔婆が何本も立ててあったのを見たのですが、その話はなんとな

く彩子さんにはできませんでした。月はひと口ワッフルを口の中に入れたら、ふわーっ

と広がって、甘い香りが体中を走りました。

「どう?」

「おいしい」

「夢が叶っちゃった。次の夢を探さないとね」

彩子さんが言うので、月は思わず、

「じゃあ、彩子さんの夢は?」

と尋ねました。

「私の夢は、月ちゃんとずっと友達でいたい」

「私も」

彩子さんは月の次の言葉をさえぎって、

「月ちゃんの家の前にある門をくぐったら、何もない世界へ行かなくちゃならない。私

はその門がくぐれなくて、いつも外から月ちゃんを見ていたの。友達になれてやっとこ

の門を通ることができた」

彩子さんは月の顔をじっと見つめました。月は彩子さんが自分の前に現れた意味をやっ

と知ることができました。

「だからもう、私の夢、叶うことはできない」

月はひとりだけの友達と離れたくなくて、自分も一緒に行くと言おうとしましたが、さ

っきのお墓に立てかけられていたお塔婆の意味がやっと今わかって、声に出せませんで

した。あたりは紺碧の空に染まり始めました。

 月は学校で彩子さんが教室にいたかどうかを誰にも聞きませんでした。

 彩子さんと過ごした2日間の出来事は月を変えていきました。いじめに正面から立ち

向かったので、みんなの無視は自然に変わっていきました。

童話 「門」 ②

彩子さんはお絵かき帖の一枚を切り取って月に渡し、隣に座りながら、二人の間に色鉛

筆を置き、片隅の曼殊沙華を描きだしました。月はのんを写生しました。しばらくする

と、あたりは紺碧に染まり夕暮れの時間になっていました。

「もう帰らないと」

月がいうと、

「そうね、私も」

彩子さんは言いながら、片付け始めました。

「明日は席替えがあるでしょう、月ちゃんの隣になるといいな」

「うん、彩子さんの隣の席になりたい」

「それじゃあ、あしたね」

「明日ね。どうもありがとう」

彩子さんがブリキの家の前を通って北の門をくぐって行くのを見送りました。

 

次の朝、学校はいつもと違う感じがしました。教室に入ると、彩子さんはもう来ていて、

「月ちゃん、おはよう」

と声をかけてきて、月は一瞬まごついたのですが、言葉が先に

「おはよう」

と出ちゃいました。そしたらなんか急に場違いな自分に会ったような思いがしてうつむ

いてしまいました。教室の友達はいつものように無視を続けています。

朝礼が済むと、

「昨日お話ししましたが、今日はクラス替えをします。好きな人どうしで座りますか?

それともくじで決めますか?」

先生が生徒に聞きました。みんなは

「好きな人どうしがいいです」

と口々に大声をあげました。

月は席替えが嫌でした。好きな人どうしで決める時は、いつも最後の机に一人で座

らなければならなかったからです。でも今日は違います。くじになりませんように、と

祈っていました。

「学年最後の学期です。良い思い出が作れるよう、先生は皆さんの意見に従いましょ

う。席替えは好きな人と座って下さい」

「月ちゃん、ここよ」

彩子さんが手招きした席に月は座りました。それは、月が家柄とか貧しさとかを自分か

ら外して、新しく歩いていく道へ続く門の扉が開いたときでもありました。